[小ネタ] 同一のAmazon Connectインスタンスから電話を発信、受信してみた

[小ネタ] 同一のAmazon Connectインスタンスから電話を発信、受信してみた

インスタンス数を節約したい!という要件があれば、覚えておくと役に立つかもしれません
Clock Icon2023.07.01

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こんにちは、AWS事業本部の荒平(@0Air)です。

最近、同一のAmazon Connectインスタンスから着発信はできるのかというお問合せがありました。
個人的にも気になったところなので、実際に検証してみました。

結果

先に結果のみ記載すると、同一のAmazon Connectインスタンスからの着発信は可能です。

メリット・デメリット

Amazon Connectインスタンスを同一にすることのメリット・デメリットを考えてみました。

メリット

  • インスタンス数を節約できる(デフォルトでは、アカウントあたりのAmazon Connectインスタンス数は2)
  • ユーザー差分が発生しづらい(複数インスタンスにユーザーがまたがる場合は差分が発生する)

    デメリット

  • 「インスタンスあたりX個」関連のサービスクォータに引っ掛かりやすい
  • 違う電話番号同士でログが混在する
  • 関係のないLambda関数を呼び出すなど、ヒューマンエラーを誘発する可能性がある

    特に、「インスタンスあたりX個」関連のサービスクォータに引っ掛かりやすいについて、インスタンスあたりのLambda関数、Lexボット個数、エージェントステータスの数はハードクォータであり変更できないので、構成によっては最初から同一インスタンスにできない可能性があります。

    検証してみた

    最後に、検証方法について記載します。以下が検証のイメージです。
    前述している通り、同一のAmazon Connectインスタンス内で完結します。

    (1) Amazon Connect インスタンスで電話番号を2個取得する

    「電話番号の取得」ボタンから、インスタンスに紐付ける電話番号を2個取得します。
    以下の紹介では、発信側 +1844を「Phone Num A」、受信側 +1833を「Phone Num B」とします。

    (2) アウトバウンドフロー(キュー)を設定する

    Amazon Connectからの発信は、何かのキューに紐付いていないとできません。

    デフォルトで用意されているBasicQueueに、Phone Num A(発信側)とアウトバウンドフローを紐付けます。

    (3) Phone Num B(受信側)のフローを作成し紐付ける

    フローの内容は任意です。
    今回は、接続が成功されたというメッセージを再生して終了するサンプルを作成しました。

    Phone Num B(受信側)の電話番号設定を開き、「問い合わせフロー/IVR」に、前手順で作成したコンタクトフローを設定します。

    (4) CCPから電話をコール

    Phone Num Bに電話をコールしてみます。

    設定した音声が流れたので、接続成功になりました。

    おわりに

    同一のAmazon Connectインスタンスからの着発信を試してみました。
    この検証には電話番号が2つ必要です。 1つで着発信も試してみましたが、コールはできるもののコンタクトフローに定義されていない音声(恐らくキャリア設定のIVR)が流れて失敗します。

    インスタンスを同一にするメリットは小さく、ログ管理などのデメリットのほうが大きいため、特段の要件がなければ、インスタンスを分けることを推奨します。

    このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
    
それでは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)がお送りしました!

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